制作背景
東京都下水道局の調査 によると、若い世代の下水道への関心の低下が目立っています。関心の低下は、利用者の理解・協力不足につながり、下水道事業の持続可能性に影響が出る可能性があります。
以下の2点が主な原因と考えられています。
若者が生まれた頃には既に下水道が整備されており、下水道の存在を当たり前だと思っている 下水道施設の多くは地下にあって見えにくく、意識が及びにくい
制作目的
下水道を知る「入り口」となるような、思わず目に留まってしまう動画を目指す。
制作プロセス
1.プラン・チームの決定
プロジェクトの参加者30名でムービプランのアイデアを考え、1人1案プレゼンをしました。出揃った30案のアイデアを編集・策定して6つのプランに絞り、チームに分かれました。
チーム決定直後に役割分担とスケジュール制作をし、制作の基盤を整えました。
2.シナリオ制作
日常生活のなかの下水道を描くというプランでシナリオを練りました。効果的な表現方法を模索して議論を重ねた結果、2回の大きな方向転換を経て最終案に至りました。
シナリオ案1
街行く人々の会話に下水道職員がひょっこり現れ、日常に潜む下水道の働きを説明する
🤔 目に留まってもらう鍵となる「つかみ」のインパクトに欠ける
💡 インパクトの強い「下水番長」というキャラの誕生
シナリオ案2
下水道に悪影響を及ぼす人々の行動を、番長が注意して是正する
🤔 教材かのように説教くさく、伝えたいメッセージが分散している
💡 今回は「下水道事業の認知」に焦点を絞る。下水道の存在により生活が支えられていることが伝わるストーリーにする。
シナリオ案3
「下水番長=下水道局」と表象化し、番長と一緒に身近な下水道事業を見つけていく
💡 下水道局の事業により、日常の中で意識せず支えられていることを知ってもらうとともに、下水道局のイメージアップを狙うシナリオへ
😃 認知度の低そうな取り組みまで扱うことで見る人の知的好奇心に訴える
3.キャスティング・ロケハン・美術制作
CINEMA PLANNERS を通じて出演者を募集しました。計50人弱の応募があり、メンバー全員で書類や対面での選考を行いました。 同時期にロケハンや撮影許可の取得、美術制作をしました。
4.撮影・ナレーション録音・編集
4日ほどで撮影を行い、録音と編集作業が続きました。30秒ぴったりに収めるのは少々窮屈でしたが、制約の中で最大の効果を得るべく繰り返し話し合い、追及しました。
作品のポイント
1.下水番長のキャラクター
番長のリーゼントは先端がマンホールの蓋になっています。カツラはメンバーのご友人の手作りです。実は蓋が開きます。形状上、固定が難しく、撮影中も改良を重ねました。
2.多様な登場人物とロケーション
下水道局を、誰にとっても身近にある存在としてPRするために、様々な年代の人・下水道局と関連のある場所を映しました。
結果
プロジェクトのグランプリを受賞しました。東京都下水道局の広報ツールとして使用されています。
主催の東京都下水道局の他に、プロジェクト運営事務局、各チームについてくださったマネージャーさん、WS・FWでお世話になった講師の方々、地下ラボ広報さん、取材の方々など、参加学生をサポートして頂ける体制のもとで活動しました。様々な方々のお力があっての成果です。
主催の東京都下水道局の他に、プロジェクト運営事務局、各チームについてくださったマネージャーさん、WS・FWでお世話になった講師の方々、地下ラボ広報さん、取材の方々など、参加学生をサポートして頂ける体制のもとで活動しました。様々な方々のお力があっての成果です。
関連事項
プロジェクトについて
『東京地下ラボ by東京都下水道局 ~下水道の魅力を、クリエイティブの力で若者が再発見~』
主催:東京都下水道局
プロジェクト全体の期間:6ヶ月(2019/08~2020/02)
学生限定のプロジェクトで、第2弾となった2019年度は、下水道の魅力を伝える『動画』を制作するというものでした。プロジェクトの目的は、若い世代に下水道への関心を高め、東京都の下水道の新たな可能性や魅力を発信すること、下水道のイメージアップをはかること です。ワークショップやフィールドワークを通じて「学ぶ」、動画を「作る」、成果報告会で「発表する」の3ステップで構成されています。この取り組みについては、東京地下ラボのnote で紹介されています。
メディア掲載
schedule
2021.04.22
update
2022.03.05